古物営業法で分類されている「古物」13品目とは?

古物商の許可申請をするとき、どのような古物を扱うのかを決める必要があります。古物は古物営業法で13品目に分類されていて、その中から扱う古物を選ぶことになります。

では古物営業法で分類されている13品目とはどのような物なのでしょうか?

また、そもそも古物とはどういった物のことを言うのでしょうか?

この記事では、古物営業法で分類されている13品目がどのような物なのか、「古物」とは何なのかについて解説させていただきます。

古物営業法で定義される「古物」とは?

まず古物営業法では「古物」がどのように定義されているのかについて見ていきましょう。

古物営業法には「古物」について、このように記載されています。

一度使用された物品、若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう

古物営業法第2条1項

抽象的でわかりにくいですが、一般的な「中古品」のイメージとほぼ同じようなニュアンスです。

ただ気をつけなければならないのが、「一度使用された」という箇所です。これは新品を開封をしたということだけではなく、消費者が「購入」した物はすべて「一度使用された」という扱いになります。

そのため古物営業法の「古物」は、ネットオークションサイトなどでよく見かける「新品未開封」の物も「古物」に該当することになります。

ただし消費者ではなく業者同士の取引の場合は、何度購入を繰り返しても「一度使用された」ということにはなりません。なぜなら業者同士の取引は「購入」ではなく「流通」として扱われるからです。

まとめると、消費者が購入した物は古物営業法ではすべて「古物」に該当するということになります。

しかし物によっては購入しても「古物」に当たらない物も存在します。次に詳しく説明させていただきます。

「古物」にあたらない物

どんな物でも一度使用したり、購入したら「古物」にあたるわけではありません。古物営業法の「古物」にあたらない物は、何度使用しても「古物」として扱われることはないです。

ではどのような物が「古物」にあたらないのでしょうか?

次のような物は「古物」にあたりません。

「古物」にあたらない物の代表例

  • 化粧品
  • 医薬品
  • 日用品
  • お酒
  • 食品

上記のような物は、使用すると消費するため「古物」にあたらないとされています。そのため消費者が「購入」しただけで「一度使用された」ということにもなりません。

これらの他にも航空機や鉄道電車、空缶、古新聞なども「古物」にはあたりませんが、一般的に考えてこれらを売買する方はあまりいないと思います。

古物営業法で分類されている古物の13品目とは?

ここまで古物営業法の「古物」にあたる物、あたらない物の説明をさせていただきました。

ここからは、「古物」にあたる物が古物営業法でどのように分類されているのかを解説していきます。

まずは古物の13品目から見ていきましょう。

古物の13品目

1美術品類絵画、彫刻、工芸品など
2衣類着物、洋服、敷物、布団など
3時計・宝飾品時計、宝石、オルゴールなど
4自動車自動車、タイヤ、カーナビなど
5自動二輪車及び原動機付自転車自転車、原付、パーツなど
6自転車類自転車、パーツ、空気入れなど
7写真機類カメラ、ビデオカメラ、望遠鏡など
8事務機器類パソコン、コピー機、ファックスなど
9機械工具類工作機械、ゲーム機、電話機など
10道具類CD、DVD、日用雑貨など
11皮革・ゴム製品鞄、バッグ、靴、毛皮など
12書籍古本、漫画、雑誌など
13金券類商品券、ビール券、電車の乗車券など

以上の13品目に分類されます。いくつか注意点などを補足で説明させていただきます。

まず9の「機械工具類」ですが、いわゆる工具だけでなくゲーム機や電話機が入っていることに注意が必要です。例えば、古物商でゲーム機とゲームソフトを取り扱おうと考えている場合、9と10(ゲームソフトは道具類になります)を選択することになります。

また10の道具類に該当する物は非常に幅広く、他の分類に該当しない物が含まれることがあります。1の美術品類は美術的価値があるかで判断するので、有名な画家が描いた絵画は1に該当しますが、大量に制作されたような絵画は10に該当するなどです。

古物商の許可申請をするときは、この13品目の中から取り扱いをする商品がどれに該当するのか、慎重に選択するようにしましょう。

まとめ

古物営業法で分類されている「古物」13品目について解説させていただきました。ご理解いただけたでしょうか?

古物商をはじめるには、まず取り扱う商品が古物営業法で「古物」に当たるのか当らないのかを確認して、次に13品目のうちのどれに該当するのかを判断するという流れを理解していただけたかと思います。

ただ、これから古物商をはじめる方の中には、扱う商品がどれに分類されるのか分からない方もいらっしゃるかと思います。

そのようなときは管轄の警察署か古物商許可を専門にしている行政書士に相談されることをおすすめします。

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