電気工事業とは? 電気工作物と電気工事業者の種類
これから電気工事業を始めようとされる方はたくさんいらっしゃるかと思います。そして電気工事業を始める前にいくつか理解しておきたいことがあるのではないでしょうか?
なかでも、電気工作物と電気工事業者の種類を理解することは、電気工事業者の申請などをするうえでとても大切な知識になります。
この記事では、電気工事業について、また電気工作物と電気工事業者の種類を解説させていただきます。
電気工事業とは?
電気工事業とは、電気工事士法に規定されている工事を行う事業のことです。
電気工事士法に規定されている工事とは、一般用電気工作物や自家用電気工作物を設置したり、変更する工事のことです。(※一般用電気工作物と自家用電気工作物については後ほど説明します)
ただし、政令で定められている軽微な工事は、電気工事から除くこととされています。
電気工事を行うには電気工事士の資格が必要になります。
次に電気工作物の種類を説明します。
電気工作物の種類
電気工作物はまず大きく2つに分類できます。「一般用電気工作物」と「事業用電気工作物」の2種類です。
「一般用電気工作物」は、最大電力が500kW未満の一般家庭や商店等に設備される電気工作物のことです。
一方「事業用電気工作物」は、「一般用電気工作物」以外の電気工作物となります。
また「事業用電気工作物」は、「電気事業のように狂する電気工作物」と「自家用電気工作物」の2つに分類できます。
「電気事業の用に供する電気工作物」とは、発電所や変電所などの工作物のことです。
「自家用電気工作物」は、「電気事業の用に供する電気工作物」以外のもので、最大電力が500kW未満の電気工作物となります。具体的には、中小ビルの需要設備などが該当します。
電気工作物の種類
【電気工作物】
- 一般用電気工作物
- 事業用電気工作物
【事業用電気工作物】
- 電気事業の用に供する電気工作物
- 自家用電気工作物
これらの電気工作物の中で、電気工事業者が扱えるのは「一般用電気工作物」と「自家用電気工作物」になります。
電気工作物の種類を理解いただいたところで、次に電気工事業者の種類を説明します。
電気工事業者の種類
電気工事業者と一口に言っても、いくつか種類があります。また種類ごとに扱える電気工事が変わってきます。
まずは電気工事業者の種類から見ていきましょう。電気工事業者の種類は次の4つに分類されます。
電気工事業者の種類
- 登録電気工事業者
- みなし登録電気工事業者
- 通知電気工事業者
- みなし通知電気工事業者
名前が似たようなものがありますが、中身はそれぞれ異なります。どのような違いなのかを、4つの電気工事業者の特徴を一つずつ説明します。
登録電気工事業者
登録電気工事業者は、知事に申請して営業を開始する事業者のことです。一般用電気工作物のみ、または一般用・自家用電気工作物の電気工事をすることができます。
みなし登録電気工事業者
みなし登録電気工事業者は、建設業の許可を受けている建設業者で、知事に届出をして営業を開始する事業者のことです。一般用電気工作物のみ、または一般用・自家用電気工作物の電気工事をすることができます。
通知電気工事業者
通知電気工事業者は、知事に通知をして営業を開始する事業者のことです。自家用電気工作物のみの電気工事をすることができます。
みなし通知電気工事業者
みなし通知電気工事業者は建設業の許可を受けた建設業者で、知事に通知をして営業を開始する事業者のことです。自家用電気工作物のみの電気工事をすることができます。
電気工事業者の種類のまとめ
電気工事業者は4種類に分類されます。「登録」タイプ、「通知」タイプ、「みなし」タイプで見ていくと、特徴をつかみやすいでしょう。
「登録」タイプの扱える電気工事の種類は、一般電気工作物のみか一般用・自家用電気工作物。
「通知」タイプの扱える電気工事の種類は、自家用電気工作物のみ。
「みなし」タイプは、建設業の許可を受けている建設業者。
といった具合です。表にまとめると次のようになります。
電気工事業者の種類 | 電気工事の種類 | 建設業許可 |
登録電気工事業者 | 一般用電気工作物のみ、または一般用・自家用電気工作物 | なし |
みなし登録電気工事業者 | 一般用電気工作物のみ、または一般用・自家用電気工作物 | あり |
通知電気工事業者 | 自家用電気工作物のみ | なし |
みなし通知電気工事業者 | 自家用電気工作物のみ | あり |
まとめ
電気工事業について、電気工作物と電気工事業者の種類を解説させていただきました。疑問は解消されたでしょうか?
複数に分類される電気工作物の中で、一般用電気工作物と自家用電気工作物は電気工事業者が扱えること、また電気工事業者は4つに分類されることなどをご理解いただけたかと思います。
この記事に書かれていること以外で、電気工事業に関する疑問などがあれば、管轄の行政庁や電気工事業の申請などを専門にしている行政書士に相談することをおすすめします。