【古物商許可】管理者とは? 管理者を申請者本人以外にするときの注意点

古物商許可申請をするとき、営業所をどこにするのかを決めたり、営業所の名称を決めたりと、いくつか決定しなければならないことがあります。

そしてその中に、管理者の選任というものがあります。古物商許可申請において、管理者を決めることはとても重要な事項です。

では、この管理者とは何者なのでしょうか? また、管理者は誰でもいいのでしょうか?

この記事では、管理者とはどのような者なのか、また管理者を申請者本人以外にするときの注意点について解説させていただきます。

古物商の管理者とは?

古物商許可申請のときに管理者が必要になるのは、営業所を設置したときです。つまり営業所を設置しなければ、そもそも管理者を選任する必要がありません。

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しかし現実的に考えて古物商許可申請をするとき、営業所を設置しないという選択をすることはほぼありえません。なぜなら営業所なしで申請した場合、許可が下りても「行商」しかできないからです。
「行商」というのは営業所をもたずに全国各地を移動しながら古物の販売をすることです。昭和の時代ならいざ知らず、令和の時代に「行商」をしている方を見かけたことがない人のほうが多いのではないでしょうか。
それでも「行商」だけでいいから営業所を設置しないで申請したいという方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら営業所を設置しないを選択して申請してもおそらく許可は下りないでしょう。営業所を設置していないと、古物売買の活動の実態を警察官が掴みづらいからです。所轄の警察署の判断にもよりますが、諦めたほうがいいでしょう。
ちなみに実態のないインターネット上でしか古物の取引をしない場合でも、営業所の設置は必須です。

このように申請するときは管理者を選任する必要があります。

ではこの管理者はなにをする人かというと、お店でいうところの店長のような仕事をします。例えば、商品の管理をしたり、従業員の監督や指導をしたりします。
個人で古物商許可申請をするケースでは、申請者本人が管理者になることが多いですが、中には申請者本人以外を管理者にする方もいます。

上記のように管理者を申請者本人以外にしても申請はできるのですが、いくつか注意すべき点があります。
では、どのようなことに注意して申請者本人以外を管理者に選任すればいいのでしょうか?

次に説明します。

営業所の管理者を申請者本人以外にするときの注意点

古物商許可申請で営業所の管理者を申請者本人以外にするときは、次の3点に注意しましょう。

管理者を選任するときの注意点

  • 営業所に常駐していること
  • 古物に関する知識を持っていること
  • 欠格要件に該当していないこと

上記の3つが注意点になります。一つずつ説明していきます。

営業所に常駐していること

まず一つ目の注意点は、営業所に常駐していることです。

常駐しているというのは、常識的にみて営業所に通える距離に住んでいて、営業所に常時勤務している状態をいいます。

例えば、営業所が東京都にあり、管理者が大阪府に住んでいる場合は、通える距離に住んでいるとはいえないため、その者は管理者にはなれません。

ちなみにこの判断基準は、申請者本人が管理者となる場合にもあてはまります。もし自宅から離れた場所に営業所を設置するときは、自宅から通える距離なのかを判断して慎重に決めるようにしましょう。

古物に関する知識を持っていること

二つ目の注意点は、古物に関する知識を持っていることです。申請者本人が管理者となる場合は、これから古物の取引をする人が知識に乏しいはずがないと考えられるため、問題にはならないのですが、申請者本人以外を管理者とする場合はしっかりと確認する必要があります。

管理者は店舗でいうところの店長にあたる役割なので、扱っている古物についての知識がないと、管理が疎かになる可能性があるためです。

必ず古物に関する知識を持った人を管理者に選任するようにしましょう。

欠格要件に該当していないこと

最後の注意点は、欠格要件に該当していないことです。欠格要件に該当していると、管理者にはなれません。また申請者本人も欠格要件位該当している場合、申請すらすることができなくなります。

とても重要な要件になるので、欠格要件に該当していないことを必ず確認するようにしましょう。

欠格要件は次のとおりです。

欠格要件

  • 未成年者
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 禁固以上の刑に処せられて、または窃盗罪などの罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることのなくなった日から起算して5年を経過しない者
  • 集団的に、または常習的に暴力的不良行為その他の罪に当たる違法な行為を行うおそれがおると認めるに足りる相当な理由がある者
  • 暴力団員として法律に規定された命令や指示を受けた者であって、その命令または指示を受けた日から起算して3年を経過しない者
  • 住居の定まらない者
  • 古物営業の許可を取り消され、その取消しの日から起算して5年を経過しない者(法人である場合は別の要件あり)
  • 許可の取消しに係る聴聞の期日および場所が公示された日から、その取消しをする日またはその取消しをしないことを決定する日までの間に、許可証の返納をした者
  • 心身の故障により管理者の業務を適正に実施することができない者

欠格要件は古物営業法という法律で定められているものです。そのため上記の要件は言い回しが難しく、理解しにくいと思いますので、少しわかり易く説明していきます。

まず①②⑥はとくに問題なく理解できると思うので、説明は省きます。
③についてですが、警察に逮捕された経験がなければ欠格要件に該当しません。(※逮捕された経験があっても不起訴となった場合は該当しません)
④⑤はいわゆる反社と呼ばれる方のことです。健全な一般市民であれば欠格要件に該当しません。
⑦⑧は過去に古物商の許可を受けて営業したことがある方の欠格要件です。新規で申請する方であれば該当しません。
⑨は認知症や知的障害がある方のことです。主に家庭裁判所で成年後見人等と審判された方などが該当します。審判をされていなければ基本的に該当しません。(※ちなみに申請をするときに戸籍の身分証明書というものを提出する必要があるのですが、この書類に審判されたかどうかが記載されています。不安な方は、まず身分証明書を取り寄せて確認するといいでしょう)

以上の9つの欠格要件のうち、ひとつでも該当していると管理者にはなれないので注意が必要です。
申請前にしっかりと確認するようにしましょう。

まとめ

古物商許可申請の管理者について解説させていただきました。疑問は解消されたでしょうか?

古物商許可申請の管理者は営業所を設置した場合に必要になること、また申請者本人以外を管理者に専任するときの注意点などをご理解いただけたかと思います。

またこの記事に書かれていること以外に、古物商許可申請の管理者について疑問などがあれば、管轄の警察署や古物商許可を専門にしている行政書士に相談することをおすすめします。

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