法律の目的を意識する

行政書士は法律家です。試験が主に憲法、民法、行政法から出題されることと、実務においても法律は切っても切れない関係だからそう思っています。

例えば車庫証明なら「自動車の保管場所の確保等に関する法律」通称「車庫法」に基づいて申請を義務づけられていたり、産廃業なら「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」通称「廃掃法」で産業廃棄物の処理などが定められています。

実務を行うときは常にその業務に関わる法律を意識しなければなりません。

しかし法律は抽象的に書かれていることが多いので、理解に苦しむこともあります。また理解しようとしても、なぜこんな決まりごとがあるのだろうと疑問に思うことも多々あります。

そんなとき私は法律の目的に立ち返るようにしています。どういう目的でその法律が定められたのかを知ることで疑問を解消できることがあるからです。そして法律の目的はだいたい第一条に記されていることが多いです。

車庫法の第一条にはこうあります。

この法律は、自動車の保有者等に自動車の保管場所を確保し、道路を自動車の保管場所として使用しないよう義務づけるとともに、自動車の駐車に関する規制を強化することにより、道路使用の適正化、道路における危険の防止及び道路交通の円滑化を図ることを目的とする。

車庫法第一条

難しく書かれていますが、簡単に言うと路上駐車されると迷惑だから車庫を持つようにしてくださいと言うことです。法律が制定された背景に路上駐車が社会問題になっていたこともわかりますね。

この目的を理解しておくと、例えば車庫証明には適用除外地という車庫証明の申請をしなくてもいい地域があるのですが、なぜそのような地域があるのかも理解しやすくなると思います。

車庫証明の適用除外地の多くは人口が少ない場所です。はっきりとは書きませんが、車庫法を定めた目的になんら影響がないから適用除外地にしたのだろうと推測することができます。

このようにして法律の目的に立ち返ることで理解が深まることが多いです。

身近過ぎて普段はほとんど意識しない法律ですが、なぜこのような制度があるのだとかなぜこの行為は禁止されているのだとか疑問に感じたら、その根拠法の目的を読むことをおすすめします。

それではまた!